お知らせ

コープふくしまの食事調査の取り組みが、英国の専門誌『放射線防護』(電子版)に掲載されました。

更新日:13/10/16

コープふくしまが組合員の協力を得て行っている、実際の食事に含まれる放射性物質測定調査に関する論文が、英国の専門誌『放射線防護』(電子版)(Journal of Radiological Protection)の第33巻4号に掲載され、その紹介ページが公開されています。


「家庭の食事からの放射性物質摂取量調査」についての論文が
イギリスの専門誌 「JRP(放射線防護)」に掲載されたことに寄せて

日本生活協同組合連合会
会長 浅田克己

 去る2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏出事故はまさに甚大な被害をもたらしました。福島県および周辺県の住民の方々は放射能汚染という経験したことの無い被害に苦しめられ、日本全国の消費者・生協組合員が食に関する不安を感じた生活を強いられています。
 こういう中で、日本生協連は、2011年度から、福島をはじめ全国18都県の生協組合員の食卓と日本生協連および各生協にある商品検査センターを直結させて、多くの組合員から実際の食事を提供いただき、それに含まれる放射能の測定を行ってきました。この取り組みは、食事を提供いただいた組合員ご自身の安心を得る判断材料となり、さらに被災地に対する風評拡大の低減にも一定の役割を発揮することにつながったのではないかと思います。
  この人類史上類まれな放射能漏出事故という状況下で、実際の食事調査を行い、まとまった数のデータをもとにコープふくしま関係者と専門家の協力で論文化されたことはおおいに価値あるものと理解しています。ある専門家は『今回の論文は、科学とは縁がないと考えられている生協で行われた活動に関する学術論文で、しかも国際的に評価が高い科学雑誌の論文であるという点で、たいへん意義深いものと思っております』とコメントを寄せています。食事調査にご協力いただいたすべての組合員のみなさんに感謝申し上げますと同時に、この論文が被災地の復興に役立ち、世界各地の方々の理解を広める一助になることを願っています。

 
<紹介ページ> 
Journal of Radiological Protection Volume 33 Number 4
電子版「放射線防護」第33巻4号、2013年10月
Intake of radioactive materials as assessed by the duplicate diet method in Fukushima
陰膳方式による福島県における放射性物質摂取に関する評価

 

英語サイト http://iopscience.iop.org/0952-4746/33/4/823/

以下はこちらのページで紹介されている、Abstract(概要)の日本語訳となります。

Abstract
A large quantity of radioactive materials was released from Reactor-II of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (F-1 NPP). People living in the area affected by the release are concerned about internal exposures from the daily intakes of contaminated foodstuffs. In order to assess whether the people should be concerned, Co-op Fukushima (Consumer Co-operative in Fukushima Prefecture) conducted a broad survey of radiocaesium in daily meals for which local inhabitants voluntarily provided a set of duplicate meals. Analyses by the duplicate diet method were conducted from November 2011 to March 2012 and from June 2012 to September 2012, each covering 100 families throughout the prefecture. Among the 200 meals thus analysed, 12 were found to have 134Cs and/or 137Cs concentrations exceeding 1 Bq kg-1. Even with the largest radiocaesium value in our survey, daily consumption of such meals throughout a year gave an annual committed effective dose that did not exceed 0.1 mSv.
(概要)
福島第1原子力発電所2号炉から大量の放射性物質が放出された。放出の影響を受けた地域に住む人々は、日々の食事で汚染された食品を食べることによる内部被ばくを懸念している。コープふくしま(福島県の生活協同組合)は、人々が懸念すべきか否かを確かめるために、家族の人数より1人分多く作ってもらった食事(陰膳)を自発的に提供してもらい、含まれる放射性セシウムを測定した。陰膳調査の期間は、2011年11月~2012年3月と、2012年6月~2012年9月である。調査に参加したのは県内の合計200家庭であった。セシウム134またはセシウム137が1キログラムあたり1ベクレル(Bq)を超えていたのは、200家庭のうち12家庭であった。最も大きい放射性セシウムの濃度を示した食事を1年間続けたとしても、年間の預託実効線量は0.1ミリシーベルト(mSv)を超えるものではなかった。

※なお、論文全文の閲覧は有料となります。
掲載されている食事調査結果については、こちらでご覧頂けます。

2011年度の調査結果>>
2012年度上期の調査結果>>

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