2013年度上期
陰膳方式による放射性物質測定
2013年度上期
陰膳方式による放射性物質測定調査結果
(2013年11月2日更新)
コープふくしまでは組合員さんの協力を得て、陰膳方式により実際の食事に含まれる放射性物質測定を2013年度も継続して進めています。
測定の進め方
- 測定場所
- 日本生活協同組合連合会 商品検査センター
- 測定機器
- ゲルマニウム半導体検出器
- 測定時間
- 1検体あたり
測定時間は約50,000秒(約14時間) - 検出限界値
- 1ベクレル/kg
- 測定方法
- 陰膳方式
↓
毎食家族人数より1人分余計に食事を作り、
それを2日分(6食+おやつや飲料など含め)保存して検査センターに送り、
検査センターにおいてミキサーで均一に混ぜ込んだものを検査試料として測定します。
100世帯分の結果
2013年度上期も、2011年度に実施した100家庭の調査、2012年度上期・下期に実施した200家庭の調査に引き続き、2013年7月~10月にかけて100家庭の調査を計画し測定を進めました。
10月末日までに、100家庭分の実際の食事について測定結果が得られています。
今回の測定結果の特徴
(1) 実際の食材の産地傾向
調査にご協力いただいた100家庭中9割以上のご家庭で福島県産の食材をご使用されていました。食品店で購入された食材、自家栽培の食材などさまざまです。これまでの調査と同様の傾向です。
(2) 測定結果値の概要
- a) 100家庭中、1キログラムあたり1ベクレル以上のセシウムが検出されたのは2家庭ありました。(他の98家庭は放射性セシウムが含まれていたとしても1キログラム当たり1ベクレル未満であることを示しています)
- b) 検出された2家庭の食事に含まれるセシウム137の量は1キログラム当たり1.6ベクレルと1.4ベクレル、セシウム134は2家庭とも検出限界の1ベクレル未満でした。この量は、100家庭いずれでも検出されている放射性カリウム(カリウム40)の変動幅(1キログラム当たり17ベクレル~51ベクレル)の約13分の1以下となります。
- c) 放射性セシウムが検出された家庭の食事と同じ食事を、仮に1年間食べ続けた場合の放射性セシウムの実効線量(内部ひばく量)を推計すると、年間合計約0.04ミリシーベルト未満となります。
※セシウム137が検出され、セシウム134が検出限界未満の場合、セシウム134が検出限界と同じ1キログラム当たり1ベクレル含まれていたと仮定して算出しています。
今後の測定の計画
今回の上期調査は福島県内100家庭を対象に行っており10月末日までに全ての結果を得ることが出来ました。
今後、下期の調査として10月下旬から翌年1月までの期間を予定に更に100家庭の測定を計画しています。
食事調査に
参加された方からの声
- 市の機関などで単品の放射性物質の検査が可能ですが、1kg以上で、家庭菜園などの少量収穫では検査できません。また、複数の食材を組み合わせた場合はとても気になるところです。これからの子供たちの体のためにも、心の負担もなく安心して食べられる食材を口にしたいので、引き続き調査をしてほしいと思います。
- 日生協が放射性物質の摂取量の検査をしていただいていることに感謝いたします。我が家は兼業農家ですので野菜はほとんど自家製のものを食べています。この辺は大丈夫だからと自分に言い聞かせたりして少しの不安を抱えながらも食べてきました。ホールボディカウンタも受け異常なしでした。生協の学習を通して放射能の知識も少しは理解できるかなと思っています。漠然とした不安を持って生活しているより、正確な数値を知ることはとても大事だと思います。
- 市場に出回っている食品は、基準値を超えてはいないと思って普段の買いものをしていますが、実際にどれぐらいの放射性物質を摂取しているかは、自分では確認できないので、このような調査があると、食品への影響や安全性の再確認ができます。
- 毎回このような検査を受ける機会を与えてくださり感謝しております。4月には実際に検査センターを見学することができ、検査の流れを知ることができ、とても勉強になりました。
- 毎日の食事で一番心配なのは、子供が食べる食品です。購入した食品のほかに、自家菜園のものや、頂いたものも食べるので、今回調査していただこうと思いました。
- 昨年の夏バージョンに続き、2回目の実施となります。食事調査のおかげで安心しています。今年は、家庭菜園でじゃがいもを作り、食べています。土の下にできる野菜を食べてセシウムがどうかな?と、ちょっとですが気になります。昨年、かぼちゃから少量のセシウムが出ました。今年はどうかな?じゃがいもは?気になるところもあり、参加させていただきました。今年もお世話になります。よろしくお願いします。
- 趣味で家庭菜園をやっていますが、収穫したものは機会があれば放射能を測ってもらいながら食べています。今年になって、大体のものは不検出になってきましたが、たまに値は低いが検出限界値を超えて検出されるときもありますが、大体の傾向が分かるような気がします。生協さんの陰膳方式はとても良い方法だと思いますので、今後も続けてほしいと思います。
- このような調査は、放射線の問題がある限り長期的に続けていくべきだと思います。関心がある人、ない人それぞれだとは思いますが、結果を見ることによって何か感じることがあるかと思うので。
- 二日間の取り組みでしたが、結果が届くのが楽しみです。日ごろから意識はしていますが、もう大丈夫と思い食品を購入しています。しかし原発のニュースを見ると不安になる・・・。その繰り返しです。
- 正直、二日分の食事すべてということで、面倒くさいとか、冷蔵庫が狭いので大丈夫だろうか?とか、色々とマイナスの感情が先に来てしまいましたが、逆にこんなにしっかりと検査してくれる機関があるのはすばらしいと思います。どんな結果が出るのか、楽しみにしています。
〈参考資料〉
WBC(ホールボディカウンタ)による
内部被ばく測定と組み合わせた
取り組みについて
コープふくしまでは、食事調査とWBC(ホールボディカウンタ)による内部被ばく測定を組み合わせることにより、得られた測定結果について理解を深め、日々の生活に役立てていただこうと考えています。
目的
(1) 食事調査に参加された組合員本人の理解をより深めることが出来るようにしたい。
(2) 測定結果について広く県民にもお知らせして現状をよく理解していただく一助としたい。
測定
- 測定場所
- 公益財団法人 震災復興支援放射能対策研究所(ひらた中央病院内)
- 測定器
- 立位型WBC(ホールボディカウンタ)測定器
- 検出限界値
- セシウム134 300ベクレル/body
セシウム137 300ベクレル/body
測定の結果
(1) 2013年3月末現在、これまで食事調査に参加された方を対象に、51人の測定結果が得られています。
(2) 51人中、検出限界値以上のセシウムが検出された方はいませんでした。
(51人全ての方が検出限界値の300ベクレル/body未満であることを示しています)
(3) 51人中、これまでの食事調査で検出限界値の1キログラムあたり1ベクレル以上のセシウムが検出された方10人が、WBC測定に参加されています。
WBC測定に
参加された方からの声
- 測定結果に対する説明が大変分かりやすく良かった。今後も継続的に測定をして頂きたい。又陰膳食事検査に関しても、小さな子供を持つ家庭を中心だけでなく、あらゆる家族構成の方、年齢、環境、他県の方まで広範囲に渡る検査を行って欲しい。
- 我が家では、野菜はほとんど自家製のものを食べてます。出荷停止のあんぽ柿も、一抹の不安を抱えながらもこのくらいなら大丈夫だろう、と自分に言い聞かせながら食していました。今回、ホールボディカウンタを受け異常なしと分かりやっと安心しました。検査結果もすぐ出て報告書やグラフの見方などの解説もして頂きとても良かったです。ただ漠然と大丈夫だろうではなく、正しく数値を知ることはとても大事なことだと思いました。
- 終わった後の説明で、食事の検査とホールボディを組み合わせて考える事で、気をつける点が見えてくるのが良くわかりました。食べる物に気をつけることで、内部被ばくを低く抑えることが出来る上、福島に住み続ける事への不安も軽減され、受けて良かったと思います。
- 子供が学校で測定した時は、約1ヶ月後に結果が送られてきましたが、県内で1番設備が整っている機関で測定して頂き、当日に結果を渡してもらえ、説明も聞けて良かったです。
- 測定から結果を聞くまで不安もあったのですが、「異常なし」の結果に安心することができました。説明も丁寧にして頂き、病院の方々も親切に対応してくださったので、スムーズに終えることができました。家族にも報告し、今まで通りの生活をしていくことができます。
- 定期的に測定を行い、長い期間数値を見えるようにしたいと思いました。薄れていく被ばくに対して、思いを機会あるごとに再認識していきたいです。
- 日頃から漠然とした不安感を抱いている中、こうした検査によって、安心を得ることができました。測定もあっという間でしたので、小さな子供を連れて行っても泣かずに待っていてくれました。病院の方の温かい対応に心から御礼申し上げます。
- 食事調査第2回目に参加をしています。不検出という結果でした。それに加えてWBCの測定ですが限界値以下でした。総合して現在は安心をしていますが、第3回目の食事調査へも参加し再度確認をしていきたいと考えています。