2013年度下期
陰膳方式による放射性物質測定
2013年度下期
陰膳方式による放射性物質測定調査結果
(2014年3月7日更新)
コープふくしまでは組合員さんの協力を得て、陰膳方式により実際の食事に含まれる放射性物質測定を2013年度も継続して進めています。
測定の進め方
- 測定場所
- 日本生活協同組合連合会 商品検査センター
- 測定機器
- ゲルマニウム半導体検出器
- 測定時間
- 1検体あたり
測定時間は約50,000秒(約14時間) - 検出限界値
- 1ベクレル/kg
- 測定方法
- 陰膳方式
↓
毎食家族人数より1人分余計に食事を作り、
それを2日分(6食+おやつや飲料など含め)保存して検査センターに送り、
検査センターにおいてミキサーで均一に混ぜ込んだものを検査試料として測定します。
100世帯分の結果
2013年度下期も、2011年度実施した100家庭、2012年度上期・下期実施した200家庭、2013年度上期実施した100家庭の調査に引き続き、2013年11月~2014年2月にかけて100家庭の調査を計画し測定を進めました。
2月末日までに、100家庭分の実際の食事について測定結果が得られています。
今回の測定結果の特徴
(1) 実際の食材の産地傾向
調査にご協力いただいた100家庭中9割以上のご家庭で福島県産の食材をご使用されていました。食品店で購入された食材、自家栽培の食材などさまざまです。これまでの調査と同様の傾向です。
(2) 測定結果値の概要
- a) 100家庭中、1キログラムあたり1ベクレル以上のセシウムが検出されたのは4家庭ありました。(他の96家庭は放射性セシウムが含まれていたとしても1キログラム当たり1ベクレル未満であることを示しています)
- b) 最も多くの放射性セシウムを検出した家庭の食事に含まれるセシウム137とセシウム134の量は1キログラムあたりそれぞれ2.6ベクレルと1.1ベクレルでした。この量は、100家庭いずれでも検出されている放射性カリウム(カリウム40)の変動幅(1キログラム当たり14ベクレル~68ベクレル)の約14分の1以下となります。
- c) 放射性セシウムが検出された食事と同じ食事を、仮に1年間同量食べ続けた場合の放射性セシウムの実効線量(内部ひばく量)を推計すると、最大で年間合計約0.04ミリシーベルトとなります。
※セシウム137が検出され、セシウム134が検出限界未満の場合、セシウム134が検出限界と同じ1キログラム当たり1ベクレル含まれていたと仮定して算出しています。
今後の測定の計画
食事調査は2011年11月から開始し、2012年度上期・下期、2013年度上期・下期と、これまで5回、延べ500家庭の実際の食事を測定してきました。2014年度も継続して実施していきます。
食事調査に
参加された方からの声
- 放射性物質調査の検査について、生協の学習会で取り組んでいることを知ることができました。まだ、安全を確定できるものを選び購入して生活しています。小さな子どものために継続していってほしいものです。このような取り組みに感謝しております。
- 自家製野菜を食べているので、時々はモニタリング検査はしていたのですが、やはり不安でした。体内にどのぐらい放射性物質が入っているかが気になっていました。機会をいただきありがとうございます。
- 単品(食品)での検査は行われているが、複数の食材が重なり食卓へ出したときの検査は中々行えないので、このような調査は大変ありがたいです。これからの未来に生きていく子ども達のからだをつくる大切な食材です。必要以上には心配せず、でも、気にかけていきたと思っています。
- 普段の生活で食品の線量はほとんど気にしなくなりましたが、それでもテレビなどで東電の事故関連の報道を見ると思い出して不安になります。このような調査に参加することで、安心を取り戻せるので、とても有意義な活動だと思います。
- 調査結果を知ることで、日常的に摂っている食事が安全であることがわかり、安心します。闇雲に情報に反応するのではなく、調査して数値をチェックすることで安心を得ることのほうが、大切だと思っています。
- 今回初めて取り組んだのですが「食材」を記入するにあたり、パッケージを見て、産地やメーカー名を確かめると同時に原材料が詳しく記載されている内容にも関心を持つようになりました。よりその商品を知ることができるようになるのではないかと思います。
- 特に産地を意識した買い物をしていないので、福島県産の野菜も食べているし、自家野菜で検査していないものも食べています。今回の調査も一つの資料として役に立てれば幸いです。結果をもっと多くの人に知ってもらい安心材料のひとつになれるとよいと思います。
- 趣味の家庭菜園で、いろいろな野菜をなるべく農薬を使わないように育てております。食事にも大部分、野菜は自家菜園で取れたものを使っておりますが、原発事故後は不安ですので、若い者たちにはなるべく福島県外の物を買っておりました。今回の調査で不安が解消されればよいのですが。
- この摂取量調査を通して、自分の中での安全の確認ができるので、とても感謝しています。地道な作業で大変かと思いますが、この調査によって救われている人が沢山いると思います。今後もよろしくお願いします。
- 正直、食品の放射能に対する意識がうすれつつあります。"もう大丈夫かな"と思う反面"きのこから検出されました"というニュースを耳にすると、"やっぱりまだダメなのか?!"と困惑しております。その中でこのような検査があると、安心というか、確信につながるのでよいと思いました。
〈参考資料〉
WBC(ホールボディカウンタ)による
内部被ばく測定と組み合わせた
取り組みについて
コープふくしまでは、食事調査とWBC(ホールボディカウンタ)による内部被ばく測定を組み合わせることにより、得られた測定結果について理解を深め、日々の生活に役立てていただこうと考えています。
目的
(1) 食事調査に参加された組合員本人の理解をより深めることが出来るようにしたい。
(2) 測定結果について広く県民にもお知らせして現状をよく理解していただく一助としたい。
測定
- 測定場所
- 公益財団法人 震災復興支援放射能対策研究所(ひらた中央病院内)
- 測定器
- 立位型WBC(ホールボディカウンタ)測定器
- 検出限界値
- セシウム134 300ベクレル/body
セシウム137 300ベクレル/body
測定の結果
(1) 2014年3月末現在、これまで食事調査に参加された方を対象に、84人の測定結果が得られています。
(2) 84人中、検出限界値以上のセシウムが検出された方はいませんでした。
(84人全ての方が検出限界値の300ベクレル/body未満であることを示しています)
(3) 84人中、これまでの食事調査で検出限界値の1キログラムあたり1ベクレル以上のセシウムが検出された方13人が、WBC測定に参加されています。
WBC測定に
参加された方からの声
- 何の為の検査かがわかりました。先生に直接質問して、答えていただくことができたので安心しました。設備も整っていて綺麗で安心できました。乳児の事も心配ですし、これなら毎年受けたいです。ありがとうございました。
- 震災後、心配しながら食事をしていました。陰膳調査をし、ホールボディカウンター測定もしていただき、大丈夫という事がわかりました。先生にもお話しを聞けて安心しました。又、定期的に参加していきたいです。
- 測定結果に対する説明が大変分かりやすく良かった。今後も継続的に測定をして頂きたい。又陰膳食事検査に関しても、小さな子供を持つ家庭を中心だけでなく、あらゆる家族構成の方、年齢、環境、他県の方まで広範囲に渡る検査を行って欲しい。
- 我が家では、野菜はほとんど自家製のものを食べてます。出荷停止のあんぽ柿も、一抹の不安を抱えながらもこのくらいなら大丈夫だろう、と自分に言い聞かせながら食していました。今回、ホールボディカウンタを受け異常なしと分かりやっと安心しました。検査結果もすぐ出て報告書やグラフの見方などの解説もして頂きとても良かったです。ただ漠然と大丈夫だろうではなく、正しく数値を知ることはとても大事なことだと思いました。
- 終わった後の説明で、食事の検査とホールボディを組み合わせて考える事で、気をつける点が見えてくるのが良くわかりました。食べる物に気をつけることで、内部被ばくを低く抑えることが出来る上、福島に住み続ける事への不安も軽減され、受けて良かったと思います。
- 子供が学校で測定した時は、約1ヶ月後に結果が送られてきましたが、県内で1番設備が整っている機関で測定して頂き、当日に結果を渡してもらえ、説明も聞けて良かったです。
- 測定から結果を聞くまで不安もあったのですが、「異常なし」の結果に安心することができました。説明も丁寧にして頂き、病院の方々も親切に対応してくださったので、スムーズに終えることができました。家族にも報告し、今まで通りの生活をしていくことができます。
- 定期的に測定を行い、長い期間数値を見えるようにしたいと思いました。薄れていく被ばくに対して、思いを機会あるごとに再認識していきたいです。
- 日頃から漠然とした不安感を抱いている中、こうした検査によって、安心を得ることができました。測定もあっという間でしたので、小さな子供を連れて行っても泣かずに待っていてくれました。病院の方の温かい対応に心から御礼申し上げます。
- 食事調査第2回目に参加をしています。不検出という結果でした。それに加えてWBCの測定ですが限界値以下でした。総合して現在は安心をしていますが、第3回目の食事調査へも参加し再度確認をしていきたいと考えています。