2020年度 陰膳方式による放射性物質測定
2020年度
陰膳方式による放射性物質測定調査結果
(2021年3月3日更新)
コープふくしまでは組合員さんの協力を得て、陰膳方式による実際の食事に含まれる放射性物質の測定を2020年度も継続して進めました。
測定の進め方
- 測定場所
- 日本生活協同組合連合会 商品検査センター
- 測定機器
- ゲルマニウム半導体検出器
- 測定時間
- 1検体あたり
測定時間は約50,000秒(約14時間) - 検出限界値
- 1ベクレル/kg
- 測定方法
- 陰膳方式
↓
毎食家族人数より1人分余計に食事を作り、
それを2日分(6食+おやつや飲料など含め)保存して検査センターに送り、
検査センターにおいてミキサーで均一に混ぜ込んだものを検査試料として測定します。
50家庭分の結果
2020年度も、2011年度実施した100家庭、2012年度(上期・下期)実施した200家庭、2013年度(上期・下期)実施した200家庭、2014年度~2019年度実施した各年度100家庭の食事調査に引き続き、2020年7月~12月にかけて50家庭の食事調査を計画し測定を進めました。
2021年1月までに、50家庭分の実際の食事について測定結果が得られています。
今回の測定結果の特徴
(1) 測定結果値の概要と
過去9年間の測定との比較
- a) 50家庭中、1キログラムあたり1ベクレル以上のセシウムが検出された家庭はありませんでした。(50家庭全てで放射性セシウムが含まれていたとしても1キログラム当たり1ベクレル未満であることを示しています)
- b) 原発事故に関係なく食品中に含まれる放射性カリウム(カリウム40(※1))は、全ての家庭で検出されています。測定結果は1kg あたり20Bq~51Bqで、過去9年間と同等のレベルとなります。
- c) 2013年度までの各年度では、いずれも検出した食事がありましたが、検出割合、放射性セシウムの値は、年度を追うごとに減少していました。2014年度以降、今回2020年度までの7年間で、検出された食事はありません。
- d) 10年間で合計1,150家庭の食事を調査した結果からは、下限値(1Bq/kg)以上の放射性セシウムを含む食事を継続して取り続けている可能性は極めて低いと想定されます。
(2) 実際の食材の産地傾向
調査にご協力いただいた、全てのご家庭で、福島県産の食材(水道水含)もご使用されていました。食品店で購入された食材、自家栽培の食材などさまざまです。これまでの調査と概ね同様の傾向です。
今後の測定の計画
2011年度より、実際の食事に含まれる放射性物質の量の測定調査を10年間継続してきたことにより、実態の把握を進めることができました。しかしながら、放射性物質による汚染の問題は依然続いており、不安や関心をお持ちの方もおられます。そのため、今後は、不安や関心をお持ちの生協組合員の要望に応じた身近な調査の1つとして、より柔軟な方法に切り替えながら、引き続き、実際の食事に含まれる放射性物質摂取量の調査を行っていきます。
食事調査に
参加された方からの声
- 放射能に関する事は、今ではほとんどテレビなどで取り上げられないと思うので、生協の学習会は今後もずっと継続してほしいです。また、それらに関する情報もホームページで随時公開してほしいです。
- 友達の作った野菜(大根、白菜、キャベツ、人参)を食べています。近所のいただき野菜が安心かどうか検査していただき、さらに結果を知り安心して食べられるので、毎年野菜をくれる友人にも検査してもらったと喜ばれています。
- 今回で2回目になりますが、放射能検査をして来た事が良い結果に出てきていると思います。個人的に摂取量調査をしていただけるのはありがたいと思います。
- 事故後10年近く続けられた食事調査の貴重な検査結果をもとに「福島の食べ物の安全性」を国内外にお知らせする為に、又「風評被害」をなくす為に活用していただきたい。
- 今回の食事調査は震災時幼稚園だった息子(現在中学2年生)と一緒に取り組みました。息子は献立を書いたり、写真をとったり、料理を手伝ったり、一緒に行うことで子どもの成長を感じるとともに、9年前、この子どもたちを育てるために食生活が一番不安だったことを思い出しました。こうして元気で成長できたことを嬉しく感じながら親子で食事調査を行うことができました。
- いつも調査ありがとうございます。10年の節目でこれが最後かもしれないと聞きました。でも、この福島の地でまだまだ子供達は生活していかなければなりません。回数を減らしてでもよいので希望する人には調査を続けてほしいです。
- 検査の結果というのは大きいと思います。もっとたくさん検出されると思っていましたが、数年でかなり安全だな、と思える結果が出て一安心です。消えることはないけど少しでも安全なものが出回る世の中であって欲しいと願います。10年間、検査ありがとうございます。
- 続けてほしい取り組みです。汚染された食品が身近にどれだけあるかは調べ続けていかねばと思います。貴重な機会をいただきありがとうございました。